地域に根ざし、地域を拓き、地域に開かれた大学




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旭川大学学長
旭川大学女子短期大学部学長
やまうち  りょうじ

山内 亮史


昭和16年5月  札幌市生まれ。大学院まで札幌で過ごす。
昭和45年3月 北海道大学大学院教育学研究科博士課程教育社会学専攻単位取得満期退学
昭和45年4月 旭川大学へ赴任。
専門分野は教育社会学、社会福祉論、地域政策論
日本教育社会学会、日本教育政策学会、日本平和学会などに所属
平成15年4月より旭川大学学長、旭川大学女子短期大学部学長
平成16年4月より学校法人旭川大学理事長


コラム No.012 元気でいるかい?卒業生

 卒業式から入学式へ、新しい出会いと別れの季節。
巣立っていった学生達は今どうしているだろう。
なんとかきつい現実に持ちこたえてくれ、と願っている。
3月に卒業した皆さんの手許へ「グラフィティアルバム2006」が近く届くはずだ。
その巻頭に求められた私の文章を一足早くこのページでお届けしたい。

 
(学部生のために)
 無名の復権 -グラフィティ2006によせて-
 
学生時代のことを考えるとき、あるイメージが頭をよぎる。
たとえばそれは、次のボブ・マーリィの詩の切れ端のようなものだ。

思い出すよ トレンチタウン官庁の庭に
二人ですわっていた時のことを
ジョージが火をくべると
炎は一晩中燃えていたんだ
おれ達はコーンミルのかゆを作って
おまえと分け合って食べた
            (ノーウーマン ノークライ)

 

誰にもある無名で貧しく、若いだけの時代。
かつてそれは、希望と可能性に満ちた光充てる日々でもあったが...。
希望格差社会にあっては一歩遅れると、たちまちショボイそのまんま無名で貧しいだけの人生になる。今はそんな時代なのか。
それでも私は思わずにはいられない。
もう子どもではなかったけれど、まだずる賢い大人にだけはなるまいと自分にいいきかせていた君がいたことを。
いつも金が欲しいとは思っていたけれど、金で買えない大切なものを必ず求めていた君がいたことを。
このアルバムには、この「山は大雪、川は石狩、地域に輝くオンリーワン大学」旭川大学でのそんな日々が刻まれている筈だ。
ごきげんよう若き友よ。

 (短大生のために)
 自分に聴かせるララバイとして -グラフィティ2006によせて-
 
言葉の手練れである中島みゆきに「心守歌」というアルバムがある。
いうまでもなく「子守り歌(ララバイ)」の語呂合せである。
マニアックで申し訳ないが彼女のシングルデヴューは、あの「時代」ではなく「アザミ嬢のララバイ」というものである。
この詩歌は「春は菜の花、秋には桔梗(ききょう)、そうして私は夜咲くアザミ」というリフレインが繰り返される。
誰に向ってのララバイかといえば、一人で眠れない夜を送っている淋しい者に、私を訪ねておいで、歌ってあげようという大人の心を感じさせるものである。
 
しかし何度か聴くとそれは、傷ついている孤独な自分の心へ向けた心守歌にも聴こえてくる。
誰かの癒しになるには、自分が太陽、ひまわりであってはいけない。
ひっそりと夜咲くアザミが似合っている。でも私だって...と甘美な自己愛が覗く。
 
このグラフィティ2006は、卒業した貴女達がいつか心寒い日、そっと開いたときに聴こえてくるララバイかも知れない。
だって、そこには、はじけるイノセントな若い日の自分の笑顔、そしてなつかしいあの娘との時代が確かに在るのだから。ごきげんよう。
 
2007.5.10記 旭川大学・旭川大学女子短期大学部 学長 山内亮史

2008年01月08日 連載コラム [clm]


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